冬が終わり、新しい春の風が吹き始めた朝、
私は窓を開けてすがすがしい朝をむかえた、
って...。時計を見るともう8:30。。
「やばい!みさとってば!遅刻遅刻!」
「んぇ...??」
もー。まったく!
私はこのぐーたらな立花 みさとを起こす役目となった、櫻井 アリス。
「んぇ...??じゃない!入学早々遅刻しちゃうでしょ!ご飯出来てるから食べていくよ!」
人界にきてまだ5日目だと言うのに、この子は...。
そう、私達は人間だけど人間じゃない。
私とみさとは、魔界の人間。
人界と魔界には、様々な共通点がある。
でもそれは決して一緒にしてはいけない。
今日で高校生になる私たちにはさっぱりわからないことだけど...。
でも、魔界にいないといけない私達が、なぜ人界にいるのかというその重大な疑問は、今から1ヶ月くらい前のことである。。
中学生活が終わり、高校生になる準備をしてる時、私はふと呟いた。。
「魔法がない世界ってどんな感じなんだろう。」
その疑問から始まった。
「なに?アリス、人界に興味あるの?」
「え、人界??」
学校の教科書に一度出たか出てないかくらいの記憶しかない。。
「だって、人界の人達は魔法使えないんだよ?」
「え!そうなの!?行ってみたい!!」
そんな夢みたいな世界!絶対楽しいじゃん!!
「んー、でも人界の人は魔界の私達の存在知らないし、第一アリスの両親が許すかなあー」
あたし達の存在、知らないんだ...。
あ、そうか、、、私の両親は何かと厳しい。
「なんてったって櫻井魔術病院の跡取りだしアリス、」
「跡取りってゆっても私女の子だし、お父様とお母様もそんなに期待してないよ...。」
「そーかな、でもアリスの事、大切に思ってるのは確かだよ?」
うん...。それは、わかってるよ。
「そーだね、なんとか頼んでみるよ、人界!」
魔法がない世界。
人が操られない世界。
なんて自由な世界なの?
好奇心が止まらなかった。
なんとかなんとか頼み込んで、高校生の間だけ、人界に行けるようになった。
もちろん入試とかも終わってるから、そこは
魔法でちょちょいっと書き換えて...。
私とみさとは、お父様が許してくれた、高校に通うことになった、
そして今日、入学式である...。
「アリス?準備できたよ!それにしても
この高校、ほんと制服可愛い!
赤チェックのリボンにその同じ柄のスカートで、ブレザー。アリスのお父様素晴らしい!」
みさとが支度を終えて拍手しながら笑顔で言う。
「だねっいこ!みさと!」
「あ!ありすその腕時計かわいい!」
ん?
「ああ!これね、お母様から貰ったの、すごく可愛くない??ありがと!」
笑いながら話してるのはいいものの...
っていうか、もう遅刻だこれ...。
「初日から...。ごめんアリス。」
「いいよ!それよりダッシュだね!」
あと角を曲がるだけ!その時...
ドンッ!!