『紗椰、ごめんね、お待たせ!委員会今終わったの。』
『ううん。大丈夫だよ。帰ろっか。』
『うん!今日ねー、』
私、葉山紗椰。
高校2年生。
この子は葉山世羅。
私の双子の妹。
『紗椰?聞いてる?』
『あ、うん。聞いてるよ。』
『でね!ヒロくんが〜、』
『あはは、そうなの?』
この、ヒロくん。
京野ヒロ。
私が好きだった人。
まぁ、アプローチも出来ずに終わっちゃったんだけどさ。
今は、世羅と付き合ってる。
『あ、紗椰!電車来てる!』
『あ、待って!』
世羅は陸上部で足が早いから、私なんて追いつけるはずもなくて。
世羅が乗り込むと、電車は私をホームに残して、ドアがしまってしまった。
『…仕方ないか。』
『君、諦めてたでしょ?』
『…へ?』
『乗るの。』
振り返ると、眼鏡をかけて読書をしてる同じ制服の男の人がいた。