「どういう意味だよ、さとこ」
「別にィ?なんでもないよ」
「いっとくけど、俺らはおまえらの水着なんて見たってどうも思わねえんだよ」
「何だって?もういっぺん言ってみな」

崎野とさとこが立ち上がり、ニラみ合う。


「おい、やめろよおまえら」
それをとめたのは、上野だった。

「そんなくだらねえことでケンカしてんな。ガキじゃあるまいし」

上野にそう言われ、しぶしぶ2人はイスに座りなおした。
ギシッ、という音があたりに響く。


「で、いつ行くんだ?」
「早いほうがいいよ。あさってとか」
「あさってか。みんな都合ねえか?」

渡部が全員の顔を見る。
誰も反対する者はいなかった。

「決まりだ。じゃ、あさっての11時とかどうだ」
「いいな。待ち合わせ場所は、駅前でいいか?」
「いいよ。じゃ、明日水着買いにいこっか」
「ジャスコでいいよねっ。楽しみだな」

そう言って、その日は全員そこで解散した。