気がつくと、墓場の外にケイタたちが立っていた。

みんな不思議そうに顔を見合わせている。


「ゆうさん、幽霊だったんだ・・・・・・」

さとこがポツリと言った。

「でも、楽しかったね」
ゆりかがニコリとする。

「あれ、まだ8時だぜ」
渡部が桜ヶ丘の時計塔を見上げる。

「俺、もっと時間たってたのかと思った・・・・」
「私も・・・なんかわけわかんなくなってきた」

ゆりかが頭を抱え込んだ。

「まぁ、まだ時間はたっぷりあるし。楽しもうぜ。なぁ、間宮」
「あ、あぁ・・」

上野がバン、とケイタの背中をたたく。

「ほら、いくぜ」
「そうだな」

ケイタはニヤリと笑い、走り出した。
後ろから、みんながついてくる。


墓場の霧は、すっかり消えてなくなっていた。