「・・・・・っ」

ゆりかが口元を押さえている。

ゆうの姿が、だんだんかすんでいた。

「私は去年の今日。ここで肝試しをするために自転車をとばしていました。でも、ここへ着く前に交通事故にあってしまったんです。どうしても肝試しをしたくて、こんな姿になってもうろうろしていました。そこで、あなた方に会ったんです」

ゆうがケイタたち一人ひとりの顔を眺めながら続けた。

「あなた方は会ったばかりの私に優しくしてくれて、仲間に入れてくれて、うれしかった・・・」

そう言って、目を閉じた。
ケイタたちは黙って聞いていることしかできない。


「あなたたちのことは忘れません。これで、成仏できます。本当に、ありがとう」

それとともに、ゆうの姿は光になって消えていた。
光の粒が暗い空へと上っていった。