「・・・・・・上野のおかげだぜ」
「は?」
「俺、つい最近までこんなに笑うことなかったんだ。おまえがあの基地に連れて行ってくれなきゃ、笑うこと忘れるとこだったんだ。あんな楽しいやつらにも出会えなかった。・・・ありがとな」

ケイタのことばを、上野はきょとんとして聞いていたが、いきなりうつむき、おもいっきりケイタの背中をたたいた。


「いってぇ!!!!」
「このバカ野郎。何言い出すんだよ。礼なんか言うな」

そう言って、すたすたと歩き出した。


ケイタは言いかえそうとしたが、上野が照れているのに気づき、口をつぐんだ。

―おもしれえやつ・・

「待てよ、上野!」

その後姿をおいかけ、再び横に並んだ。