「あちぃ・・・・・」

ケイタはよろよろとした足取りで道路を歩いていた。
地面の熱さがくつを通してでも感じ取れる。

手の中の地図に目を通した。


あれからすぐに、昼飯をとってからさとこの家に集まることになった。
もちろん、夏休みの宿題をするためだ。


住宅地の中に入ると、どこなのかさっぱり分からなくなった。

「おーい、ここだよ!!」
1つの家の二階の窓からさとこが身を乗り出し、大きく手をふっている。

太陽の強い光がまぶしく、目をほそめる。


「はやくあがっておいでよ」

そのことばに流され、玄関のドアを開けた。

「おじゃましまーす・・」

リビングをのぞくと、誰もいなかった。

「うちの親、共働きだからほとんど家にいないんだ」

いつの間におりてきたのか、さとこが後ろに立っていた。


「こっちだよ」
さとこにうながされ、階段を上がる。

上野たちの明るい声が聞こえてきた。