「崎野、すごいじゃん」

昼休み、7人は4組の教室に集まっていた。
影で朝の一部始終を見ていたケイタが話したのだ。

「すごいこと考えるんだなぁ・・おまえ将来ペテン師になれるんじゃねえの」
「人聞きの悪いこと言うなよ」

崎野がまわりを見渡す。
この教室には、ケイタら7人しかいない。

「あの時のカバったら・・マヌケだったねえ」
さとこが思い出し、くくくと笑う。
それにつられて、みんなが笑い出した。


「そういえばみんな」
川嶋が切り出した。

「もう自由課題はやった?」
「あ」

自由課題。
学年で8人以下でグループを組み、課題を決め、発表するというものだった。
発表会は、5日後にせまっていた。

「課題さ、この7人でやろうよ」
「俺も、それ考えてた」
「じゃ、課題。何やるかだな」

みんながうーんと考え込む。

そのとき。
休憩終了のチャイムが鳴った。

「仕方ない・・放課後、基地で決めようぜ」
「わかった。間宮、場所はもちろん覚えたろーな」

渡部にニヤリと言われ、ケイタは「もちろん」と胸をはって答えると、「そんなことでいばるな」とさとこに頭をはたかれた。