「先生」
朝の7時10分。
4組の崎野がこちらに向かって走ってきた。
「なんだ、崎野じゃないか。どうした?」
「あの、これ母さんからもらったんですけど・・・」
そう言って、崎野が差し出したひとつのビデオテープ。
「なんか、おばあさんから買ったらしいんです。母って、謎めいたものがすごく興味があるらしくて・・高い金出したらしいんですよ。見たら、その内容が・・」
そこまで言って、崎野はふきだした。
「なんだ?」
「・・・先生って・・クモが苦手だったんですね」
「・・っ・・・・・まさか・・」
伊藤の顔から血の気がひいた。
「あのダンスは、最高でしたよ」
「それを貸しなさい」
震える声をおさえながら、手をさしだす。
「ムリですよ。これは母が高い金だして買い取ったものなんですから」
「頼む、おねがいだ」
「無茶な相談ですよ」
そう言ってにやりと笑う崎野は、悪魔に見えた。
朝の7時10分。
4組の崎野がこちらに向かって走ってきた。
「なんだ、崎野じゃないか。どうした?」
「あの、これ母さんからもらったんですけど・・・」
そう言って、崎野が差し出したひとつのビデオテープ。
「なんか、おばあさんから買ったらしいんです。母って、謎めいたものがすごく興味があるらしくて・・高い金出したらしいんですよ。見たら、その内容が・・」
そこまで言って、崎野はふきだした。
「なんだ?」
「・・・先生って・・クモが苦手だったんですね」
「・・っ・・・・・まさか・・」
伊藤の顔から血の気がひいた。
「あのダンスは、最高でしたよ」
「それを貸しなさい」
震える声をおさえながら、手をさしだす。
「ムリですよ。これは母が高い金だして買い取ったものなんですから」
「頼む、おねがいだ」
「無茶な相談ですよ」
そう言ってにやりと笑う崎野は、悪魔に見えた。

