桃色アルバム

「やったぁ」

一方基地では。
7人のこどもたちが飛び上がって喜んでいた。

「こんなにもカバがのってくれるとは思わなかったよ」
「ほんと、能無しだね」
女子も、手を叩きあっている。

「それにしても、ゆりかの演技はすごかったなぁ」
「ゆりかの弟も、なかなかのもんだぜ」
「崎野、ビデオ撮ったか?」
「バッチリ」

崎野が指でまるをつくってみせた。

「ゆりかのあの口調。まるでさとこそっくりだったな」
上野が言うと、ゆりかはニッと笑いながら、
「だって、さとこの真似っこだもん。本物のおばあさんみたいだったでしょ」
「あ、それってあたしの口調がばあさんみたいだってことかい?」

体育館に、笑いがあふれた。

「あとは、これをカバに見せてやるだけだな」
「どうやって見せる?」
「俺に任せてくれよ」

いっせいに、崎野を見る。

「俺に、いい考えがあるんだ」