「ほら、早く行くぞ。上野に届けるんだろ」

川嶋が立ち上がる。


「いてて・・容赦ねえぜ」

崎野が腰をさすりながら起き上がる。


女子が笑いながらふたりで紙袋を持ち、外へ出た。





「あたしら、将来いいお嫁さんになれるかも」
「自分らで言うなよ」


ケイタが苦笑すると、みんなが笑った。



春になっただけあり、少しずつでも暖かくなっていた。


桜の花もだんだんとつぼみを開けていった。