「ちょっと。なにボケッとしてんの」
「あ、ゆりか丁度いい。上野と崎野がケンカはじめちゃったんだよ」
「それがどうしたって言うのよ。男なんだから自分で片付ければ。前から思ってたけど頼りないヤツ」

「なんだと、自分だって甘ちゃんのくせに」
「何よ、やるの!?」
「受けて立つぜ」

そのとき、川嶋が間にわって入った。

「おい、おまえらまでケンカすんな。男と女で殴り合いなんてやめとけよ」
「ふつうの男子とならしないわよ。こんな頼りない男だからいっちょたたきなおしてあげるの」
「なんだと、女のくせに生意気なヤツ。男なめてんじゃねえぞ」
「何よ、女のくせに、って」

カチンときたのか、ゆりかがケイタをにらみつける。

「やめろって言ってるだろ」
「川嶋はいちいちうるさいんだよ」
「渡部の言うとおり、女とイチャついてればいいじゃない」

「なんだ、人が黙ってやってたら調子のってんじゃねえ」

そう言って、川嶋も一緒になってケンカしてしまうハメだ。