桃色アルバム

「おっす、間宮」

崎野と上野が教室に入ってきてケイタの肩にポン、と手をおいた。

「・・・はよ」
「おまえ、どうしたんだ?」

振り向くと、ぎょっとした顔で崎野がおずおずと顔をのぞきこんでくる。


「何がだ?」
「目の下。すっげえクマだぜ」

上野も横からのぞきこんできた。


「ああ・・なんか、眠れなくてさ」
「ゆりかのことか。間宮は心配性なんだよ」

そう言われて、ケイタはため息をついた。


「はよっす・・・って、おまえどうしたんだよ!?」

同じく教室に入ってきた渡部と川嶋にも驚かれてしまった。

「・・そんな目立つか?」
「ああ・・・けっこう分かる」
「マジで」
「そんなんじゃモテねえぞ」
「いいよ、授業中寝てるから」

そう言って、つくえに突っ伏した。