2学期。

9月でも、暑さはおとろえず、歩いている人々の足元には濃い影ができている。
みんながしたたる汗をハンカチや手でぬぐっていた。


教室や廊下では、久しぶりに会った同級生たちがことばを交わしている。
ケイタは渡り廊下の一番奥へと迷うことなく向かった。


「おっす、間宮」
「海以来だね」

そこにはもう、上野ら6人が来ていた。

「みんな早いな」
「おまえが遅いだけだよ」

そう言って笑うみんなの額には休むことなく汗が流れていた。

「にしても、この暑さはどうにかなんねえのか」
「扇風機つけるとかしてくれないと、最後に倒れちゃうよ」
「全学年の全クラスに4台ずつ扇風機がついてる中学校もあるってのに」

ため息まじりにさとこが言った一言に、ケイタが反応した。