「櫂くんは、いつも前向きで、うらやましいよ」


私が本音をポロリともらしたら、


「だって、前向きの方が楽しいから」


って、また笑ってる。


「でも俺、ここ最近で今日が一番嬉しい」


「なんで?」


「ひなたさんが敬語使ってないし、ひなたさんとごはん食べてるし、ひなたさんが俺のこと名前で呼んでくれたから」


「そんなことで喜んでくれるなら、いいんだけど」


「あと、前も言ったけど、自分を卑下するのは良くないよ。


控えめなのはいいけど、もっと自信をもっていいと思うけどな」


「自信なんて、もてないよ」


10年も彼氏がいないなんて、ひくだろうから言わないけど。


「何か理由があって自信がもてないんだろうけど、その理由は聞かないよ。


もし話したくなったら、いつでも聞くから。


俺は、ひなたさんの味方だから」



私より、2つ年下のはずなのに。


とても男らしくて、頼りになると思った。


そして、柄にもなく、ときめいてしまったんだ。