朝ご飯を軽く作り、一人で席に着いて作ったご飯を食べる。
リビングには、4つの席。
5年前まで当たり前だった家族の風景は、もう二度と戻って来ない。
そう思うと、作ったご飯も美味しく感じることが出来なかった。
しばらくして、学校に行く時間になった。
こんな私でも一応高校に通っている。
それが、父さんと母さんの願いだと思うから。
でも、親がいない私がまともな高校に通えるわけもなくて。
県下一の不良校に通っている。
不良校のくせに、遅刻に厳しいので。
『……そろそろ行くか。』
私は、玄関に向かい
『いってきます。』
父さんと母さんに挨拶をして、家を出た。
いつもと同じ、つまらない日だと思ってた。
いつもと同じ、なにも変わらない日だと。
だけどーーー。
今日この日の出会いが、まさか私の運命を大きく変えるなんて。
私はこの時、少しも思って無かったんだーーー。
