私の涙は貴方の為に



ーーーパシャ

洗面所で顔を洗う。

濡れた顔をタオルで拭き、鏡を見る。

父さんと母さんとお揃いの銀髪。

母さん譲りの碧い瞳。

別に嫌いなわけじゃない。

ただーーー。

呪われた、この髪を。この瞳を。

好きなわけでもない。

妹の…紫苑の髪も銀髪。

だけど、何故だか銀髪に少しだけ黒髪の髪が混ざっていた。

瞳の色も、私とは違って茶色の瞳。

父さんと同じ、茶色の瞳。

母さんには悪いけど、私は瞳ぐらい普通の色が良かった。

…よくそれで、母さんを困らせたっけ。

そんな思い出さえも愛おしいのは…もう愛する人がこの世にいないからなのかなーーー。