ーーー10分後。
ピーンポーン
…来たか。本当時間通りだよな。
仲間を出迎える為に、玄関へと向かう。
ガチャ
星「翡翠!おっはよー!」
……朝からこいつは本当に元気だな。
翡「あぁ、はよ。」
星「えぇー‼︎テンション低くなーい?」
さっきからうるさいこいつは、成海 星乃ーナルミ ホシノー
…一応俺らの姫。まぁ…姫とはかけ離れてる性格だけど。
隼「おはようございます。翡翠」
敬語で挨拶してきたのは、さっきまで電話をしてた隼人。
…敬語って事は、誰かキレさせたな…。
隼人はキレると敬語になる。そして色々と面倒くさい。
ったく、キレさせたの誰だよ…。
翛「兄さんを怒らせたのは、奈凪ですよ。」
そんな俺の疑問を察してか、小声で話しかけてきたのは、漣 翛人ーサザナミ イクトー
隼人の双子の弟だ。
兄の隼人はキレた時だけ敬語になるのに対し、弟の翛人はいつも敬語だ。
そして、誰もこいつがキレたところを見たことがない。
ある意味こいつが一番怖いかもな。
つか、また奈凪かよ…。
翡「奈凪。またお前か。」
そう言い、奈凪に視線を向けると。
奈「違うよ〜。僕がお菓子が食べたいって言ったら、隼人がダメって言うんだもん!」
この男とは思えない、喋り方をするのが
香咲 奈凪ーコウサキ ナギー
これでも、"白龍"の7代目幹部。
少し強めのくせ毛が、より男らしさを無くしてる気がする。
蒼「奈凪…反省…して。」
そんな奈凪の後ろにいるのが、神崎 蒼威ーカンザキ アオイー
少しカタコトの日本語だけど、外国人ではない。
正真正銘の日本人だ。
つーか、ここまで来て気付いたけど…。
翡「蓬莱学園には、全員で通うのか?」
全「「「「「は…?」」」」」
俺の問いかけに全員が呆然。
え、俺なんか変なこと言った?
隼「…はぁ…翡翠。俺、電話で説明したよね?」
いつの間にか、敬語が抜けた隼人が呆れながら言った。
え?そんなこと言ったか?
翡「悪りぃ。聞いてなかったわ。」
隼「まぁ…予想はしてたけどね。」
さすが、隼人。
副総長なだけあるな。
隼人に感心してると、
星「てゆーか!私達が離れるなんてそもそもありえなくない?」
そう、星乃が言った。
確かに、そうだな。
こいつらと離れるなんて、考えたこともねぇ。
奈「そうそう!星乃ちゃんの言うとおり!僕たちはずっと一緒でしょ?」
奈凪が笑顔で言う。
その言葉に全員がうなづく。
そうだな…。俺らは、ずっと一緒だ。
奈凪の言葉を心の中で確認してると、
蒼「ねぇ…翡翠。」
蒼威が話しかけてきた。
…?珍しいな。
蒼威は簡単に言うと、人見知り。
仲間の俺達にも滅多に話しかけない。
まぁ…星乃だけには、甘えてるらしいけど。
そんな蒼威が俺に話…?
どんな重要な話なのかと、蒼威を見つめると。
蒼「学校…いいの…?時間…かなり…過ぎてるよ…?」
………あ。忘れてた。
翛「みなさん!急ぎましょう!」
俺達は急いで、学校に向かった。
