翡「は?冗談だろ?」
俺は今、ベットの上で携帯越しに仲間の話を聞いている。
電話の相手は、全国No.1の族"白龍"の副総長、漣 隼人ーサザナミ ハヤトー
なんで、そんな奴と話ができるかというと。
俺が、白龍の7代目総長だから。
白龍は創立からずっと全国No.1をキープし続けてる族だ。
もちろん今も。
だけど、確か一度だけ全国No.1の座を取られそうになった事があると聞いた事がある。
卑怯な手を使う族に追い詰められた事があると。
その時に通りすがりの二人組に助けてもらったと。
通りすがりの二人組に助けてもらったなんて、全国No.1が聞いて呆れるかも知れないけど。
その時、かろうじて意識があった奴の話だと、その二人の喧嘩は…。
一言で言うと、美しい。
満月に照らされて光る二人の銀髪は、染めたものとは思えないほど。
無駄のない動きで、舞うように敵を倒すその姿は。
何よりも美しいと。
そういえば、名前を名乗っていったって言ってたな。
確か名前はーーー。
隼「おい!翡翠、大丈夫か?」
その時、電話越しに隼人の呼び掛ける声が聞こえた。
翡「っ…悪りぃ。少しぼーっとしてた。」
人の話を最後まで聞かないのは、俺の悪い癖だな。
この事は、後で考えよう。
翡「で、なんの話だったっけ?」
隼「はぁ…しっかり聞いとけよな。蓬莱学園に通うのは、今日からだから10分後に迎えに行くから支度しとけよって話だよ。」
呆れながらも、もう一度隼人が説明してくれる。
翡「あぁ、分かった。じゃあ、10分後にな。」
ピッ
俺は、隼人に返事を返し電話を切った。
それにしても…蓬莱学園。
県下一の不良校で、そこの理事長は元どこかの族の総長だったとか、体育祭では
喧嘩をする場があるだとか、そんな噂が絶えない学校だ。
つーか、なんでそうなったんだ?
いくら普通の高校生じゃない俺らでも、いきなり転校なんておかしいだろ?
俺は、急な転校に驚きながらもベットを降り高校へ行く支度を始めた。
