私の涙は貴方の為に

月だけが照らす、暗闇の中。

グキッバキッ

「 うあぁぁぁ…ぁ 」

ドガッボキッ

「 ぎぃゃぁぁあ" 」

男達の無様な叫び声が響く。

その中心にいるのは…少女。

黒ずくめの服に身を包んだ少女だった。

フードを目深にかぶり、次々に男達を倒して行く。

ーーーやがて、全ての男を倒し終えると
少女はフードを取り、静かに月を見上げた。

『 今日も、見つからなかった… 』

少女は自嘲気味に笑うと、踵を返した。

ーーー今宵は、満月。

月が照らしたその姿は、誰よりも美しくそして、誰よりも…儚いものだった。