「おはようございます。」


聞こえているはずなのに挨拶をしても返事はない。


「大体ね家に住ませてあげてるんだから、わたしよりもっと早く起きて朝ご飯くらい作ったらどうなの?
本当にあの女に似てるわね。イライラするわ。」


またか。


「すみません。これからは自分のことは自分でします。」



わたしが5歳のときにママが死んでから1年後にお父さんは再婚した。


わたしは新しいお母さんができるのが嫌だった。


最初はとても優しかったお義母さん。


だけどお父さんがいないときに、わたしを見ると嫌味を言ってきたり冷たい目で見てきたり暴力を振るったりするようになった。


今はお父さんが海外に出張のためにお義母さんとお義母さんの子供の竜くんと3人で暮らしている。


竜くんはわたしの1つ上の高校3年生。


お兄ちゃんになる。


竜くんは暴力を振るわれているわたしを見て、止めてもくれずにただ眺めているだけ。