「たっだいまー!」

一時間ほどして、妹が帰ってきた。

「おかえり。」

「お姉ちゃん!今日のご飯なあに?」

中学のときは親が帰ってくるのを待っていたけど、何時になるかわからないし、買ったものばかりで体に悪いものだった。

だから、高校に入ると、私が作ることにした。

「今日は部活が長引いたから、簡単なもので済ますよ。オムライスでいい?」

「麻耶(マヤ)手伝う!」

「宿題は?」

「友達のうちで終わらせた!」

「じゃあ、手伝って。」

「はあーい!」

私とは正反対の性格の麻耶は、明るくて友達も多かった。

「パパとママ、いつ帰ってくるの?」

「え、えっと、今日は遅くなるから先に寝てようか。」

「またー?」

麻耶の頬がふくれる。

まだ小学3年生の麻耶は両親が大好きだった。

私は、出来る限り麻耶が寂しくないように、勉強の時間を削って麻耶の相手をした。