「突然すいません、私こういう者ですが...」 俺にそう言って差し出されたのは名刺だった。スカウトってやつだ。 「あーっと...考えておきます」とだけ言うと女の人は去っていった。 チラリと寧々の方を見ると俺よりもポカンとしていた。 「外に出掛けるとたまにスカウトとかされんのか?」 「ん?いやぁ...1人で買い物とかは女の子達に声掛けられるけど、スカウトは初めてだな。」 「ふぅん...あ、クレープ食いてえ」 無関心そうに言うと近くのクレープ屋に指を指した。俺は食べず、寧々の分を奢った。