それから私は私立中学の進学手続きを淡々と済ませた。 全く泣けない卒業式をして、数少ない友達と写真を撮って。 遠くに、人だかりが見えた。 ……由弦だった。 ひとりで泣いてて、ぶかぶかの、お兄ちゃんの 地元の中学の制服を着てた。 「ゆづ、写真撮ろう。」 私じゃなくて、言ったのは私のお母さん。