「妃歩。」 「あ、ゆづ?」 たまに由弦からかかってくる電話が楽しみで いつもは家でお留守番が怖くて親の仕事について行っていた私も、だんだんお留守番をするようになった。 由弦の気まぐれな電話を取り損ねるわけには行かないから。 私からかけることは、一回もなかったんだけど。