行ってしまった………
なんだか先輩のいない寮って
広く感じるなぁ
ふと時計を見た
“7時35分”
ん？
っえ!!
「時間ヤバイよ皆!!」
「もうこんな時間かよ」
「杏奈行こう! 壮か艇 鍵宜しく!!」
「おい! ずりーぞ」
文句を言う男子を置いて
あたしと椏由は寮を出た
こりゃダッシュだわ～
補習が7時40分から始まる
空手寮はどっちかって言うと
校舎から離れた方だ
だいたい500mはあるかな
ってか荷物重すぎだよ～
っえ？！
急にフッと荷物が軽くなった
ドキｯ
横を見ると壮が
あたしの鞄を持って居てくれた
「持ってやるから…
全力で走んねぇとまにあわねーぞ」
「ありがとう/////」
「ってか杏奈足遅すぎな
後から出た俺達に追いつかれるとか」
はぁ？
足遅すぎ？
あたしこれでも
50m走7.3秒なんですけど
クラスじゃトップ並なんですけど
あーもう!!
こんなﾔﾂに不覚にもドキｯとした
いや してしまった
過去の自分が憎い
とにかく!!
全力で走りゃいんでしょ
