「やっと見つけたよ~ 集合は‘‘各寮’’
ってパンフレットに書いてたでしょ」
あっ!!そういえば………
そんな気も………
‘‘まぁいいや!とりあえず寮行こっか’’
そう先輩方は言ってくれた
そして女の先輩に続いて
歩こうとしたら
手元が軽くなった
えっ?
横を見るとイケメンの先輩が
あたしのバッグを持ってくれていた
そしてあたしの視線に気づいたのか
‘‘大丈夫!持つから’’
そう言って軽くウィンクをした
やばい!!
刺激が強いよ~
イケメンウィンク……強過ぎる
これこそ詐欺じゃない
爽やかイケメンだよ!
王子様だよ!
ボンッ
あたしの頭に何かが当たった
鞄?
そう思って横に振り向いた
すると平然と歩く壮がいた
絶対コイツがやったじゃん!
「壮!さっきあたしの頭に
鞄ぶつけたでしょ」
「感謝しろよー お前の妄想声が聞こえ
そうだったのを俺が鞄ぶつけてやった
衝撃でとめてやったんだから」
「あ ありがとう…」
って何でやねん!
だったらもうちょい違う
ソフティーな
衝撃の与え方があるだろぅよ
しかも妄想声ってなんやいな
さっきのは妄想じゃなくて事実を
自分なりに?
いやちょっと加工して?
まぁそんな感じにして
自分に聞かしてただけや
あたしはこの言葉を
全て顔で表現してみた
すると壮がコクコクと頷いた
あっ!分かってくれた!!
さっすがー壮
すると壮が
「あぁもうよく分かった
杏奈はトイレに行きたいんやな」
「ちがうわ!」
「えっ?!違うん?
ずっと変な顔ばっかしてるけん
トイレ我慢しとんかと思った」
あたしの苦労が……
涙が出てくるわ ほんと!!
「んで 何を伝えたかったん?」
「もういいよ!」
