庶民派王子様！！

時は夕暮れ時、ついてきたはいいがこのがどこだか分かりもしない、とにかく大通りを出てそこから家に行くことになり、大幅なタイムロス家に着いたのは暗くなってからだった。

私の住んでるアパートはオンボロの宝来荘、学校生は大半が金持ちだが、
うちは支援金を使って学校に来ているためお金持ちではない、でも遠いので寮を借りなければ行けなく、少し学校から離れたこの荘に滞在している。

今にも壊れそうな階段を1段飛ばして駆け上がるといつもいない隣の人が部屋に入る寸前だった。

挨拶しようと上を向くと

「科巳皇子…」
ドサッ
両手の激安スーパーのビニール袋を落としビックリしたようにこちらを見ている

御曹司どころか貧乏

いいスクープを思いついていた瞬間だった。

ガンッ！
階段の途中で手すりを背に壁ドン？をされていた。

驚いて顔をみると暗くても分かる
凄い剣幕で睨んでいた。
「テメェ、なんでこんな所にいる、この事は他言無用だ」

いつもの声とは想像もつかないドスのある低音ボイス

「答えろ、なんでココにいて、何者か」

「は、はいっここに住んでて1年B組の萌生泰です！」

情報を把握して逃げられないことが分かったのか階段を上って踊り場につき爽やかに言った。

「お前確か新聞部だったよな？」

「そうだけど…」

「廃部にされたくなきゃこの事は他言無用だ、あとこれな」

科巳の手から出てきたのは学生証この高校は警備が固く、学生証が無いと入れない、そして高い数千円する。

「なっ！返s…」
「こんな近くにこんな便利な手駒があるならさつさと使えばよかったな、お前俺の腕になるよな？」

それはお願いじゃない脅迫だった。
高校の授業はスピードも早く内容も濃い1度休んだらもうついていけない、支援金を貰っている私は尚更そんな事は許されない。

「なっ！」
「…よ、喜んで…」

苦笑いと憎しみの顔いっぱいに微笑んでやった。