咲へ
僕達が初めて会ったのは、大学生になってからだったね。
その頃、目が見えなかった君が落とした本を、僕が拾ってあげたんだ。
君は微笑んでくれたね。
幸せそうに、ありがとうって。
それから僕達は、同じ学部で、同じサークルで過ごして。
ほら、今もこうして、君と過ごしてる。


明日、彼女にこの手紙を彼女に読む。
もう、全てバレてしまえばいい。
最後くらい、僕のことを思っていて欲しいから。

僕はこうして、彼女に本当のことを告げる決意をした。