「…僕は散歩なんかに行かないよ」

彼女は驚いているようだった。
それから微笑んで、俺から顔を逸らす。

「普通はそういうものだよ」

彼女はうまく、はぐらかす。流される。
僕は苦笑いをする。
そんな君に、僕は惚れたんだ。

「じゃあ、また明日。手紙を持って来るよ」
「明日はどんな手紙をくれるかな」
「明日は多分、良い手紙だよ」

僕は嘘をつく。
明日の手紙では、僕だと分かる手紙を書いてみる。

彼女は、どんな反応をするだろう。