~学校についてから~
「夏海、休んでたときのノートだよ。分かりづらい所は説明を入れといたけど、分からなかったら裕翔君に必ず質問すること。
どうせ、ふたりでいつもみたいに勉強するんだろうから。」
「蒼穹ちゃん、いつもみたいってまだ三回しか一緒に勉強してないよ。」
「でも、裕翔君と恋人みたいなつきあい方してるじゃん。」
「そんなことないよ。裕翔は、友達だよ。」
「あたしの病気のことを理解してくれてるとこは良いとこだと思うけど。」
「夏海、一緒に帰ろうぜ。母さんにカレーの具材と、唐揚げの粉買って来いって頼まれたんだけど具材とかが分からなくて。」
「 しょうがないな。一緒に行ってあげるよ。」
「Thank you。助かる。」
「いつも勉強教えてもらってるからね。」
「これからもな。」
「うん。ハァハァハァ。ハァハァハァ。」
「大丈夫か?薬は?」
「たぶん、大丈夫。薬は忙しくてここんとこ飲んでない。」
「おまえバカか?忙しかろうと飲むべきだろ。死にたいのか?薬はどこにある?」
「そんな訳ないじゃん。ただ忙しくて忘れてただけ。薬は鞄の手前のチャックの中にはいってる。ふぅふぅ。」
「だめだ。病院に行くぞ。お袋さん達が心配するだろうから。連絡するぞ。」
「ダメ!ママに知られたら大変。
ママが泣き出しちゃう。大丈夫ふぅふぅ。ふぅふぅ。」
「じゃあ、秘密にしといてやるから。いくぞ。いいわけは、こっちで用意してやるから。」
「ふぅふぅ。ふぅふぅ。…ありがとう。」
「さぁ、いくぞ。今タクシー呼ぶからちょっとそこ座っとけ。」
「大丈夫。病院までは、歩いていけるから。」
「本当かよ。お前の大丈夫は、あてになんねぇからなぁ。」
「平気だってば。でも、少し怖いから付き添ってくれる?」
「当たり前だろ。一緒にいこう。」