『晴、おはよう。』
『あ、おはよう。麗美。』
私は楠木晴香。
名蘭高校に通う2年生。
そしてこの子は、幼馴染みの篠崎麗美。
心配性でいつも近くにいるお姉ちゃん的存在。
『そういえば、晴。今日用事あるんでしょ?』
『そう。なんかね、ママが麗美も連れて早めに帰ってきなさいって。』
『私も?珍しいね…』
私のママは大きな洋服のブランドを立ち上げてる人なんだけど、とにかく多忙で、まともに話したのなんて二週間前。
今朝も、早く帰ってきてね!としか言わずに家を飛び出していった。
『…いつも勝手なんだもん。』
『晴。』
『あ、大丈夫だよ?私には麗美がいるもん!』
学校に着いて靴を履き替える。

