「そうなんだけど…」

どうしようといわんばかりの顔を見せるせあら。しかしやはり茅乃の退院は嬉しい物だった。

「私嬉しいんだよ?」
「だけど私はセーラの恋の行方が心配だよ?」
「…諦めてる。」
「諦めてって…!」
「だって…相手お医者さんだよ?私なんか相手にされないし…」
「想うのはタダだよ?それに諦めちゃだめだよ…諦めちゃったら上手くいく事だっていかなくなっちゃう!」
「そんな…茅乃の事じゃないのよ?茅乃が泣きそうにならなくても…」
「だって…」
「明日は気まずくなっちゃうから…明後日何か渡せたらとは思うけど…」

そういいながら久しぶりにせあらは笑った。