「おーい! 如月ぃ!! 」
めいいっぱい、声の限りで呼ぶ。
「お、唯じゃん! 」
振り向いたアイツ…ううん、如月は塾の時のことなんてなかったみたいに、そう叫んで走ってくる。
っていうか、名前呼び捨てされるのも初めてだ。
如月に限らず、家族以外の人に。
「ってか、名前覚えてたんだ。 んで? どうした? 」
「ちょっとね、話したいことあって。 」
「なんかオメー…。 言葉柔らかくなったな。 」
「うん、話すことに関係してくるかも。」