なんとか逃げ切って、1人で路地を歩く。
『なんとか逃げ切って』というより、追いかけてこなかったのかもしれない。
足取りが重い。
図星だった。
物事の大半は、最終的には私が決めていたけど、候補を出すのは親。
約束事で私が意見を言ったことなんて一度もない。
アイツは、自分をまっすぐ持っていたな。
その点…。 私は自分を持っていなかった。
親が、私だった。
もう…手遅れだ。 遊びたい。 笑いたい。 友達が…欲しい。
思い出してしまった。 子供の頃の気持ちを。
涙が、止まらないよ…。