「ここはこう。 そうしたら分かるでしょう? 」
「あ、分かりました。 」
私は上野唯。 高1。 両親は弁護士と裁判官で、いわゆる箱入り娘。
朝は4時起き。 授業の予習、復習をしてから、学校に行く。
放課後は住み込みのカテキョに、夕食挟んで10時まで勉強を教えてもらう。
勉強だけの日々。
いつからだろうか。 感情を自分でもわからないほど覆い隠したのは。
幼稚園はもちろん私立に入れられ、その間に小学校2年レベルの勉強はできるようになっていた。
幼稚園、小学校低学年ぐらいの時は、友達と遊びたい感情のほうが強かった。
けど、小学校高学年ぐらいになってきて、自分の感情をうまくコントロールできるようになると、自分の感情を消した。
そう、自分に嘘をついて。 遊ぶより勉強の方が好きって。
優秀な唯を生み出した。