桜の蕾があちこちでほころぶ季節。





ふわふわした風が気持ちよくて、
リビングのソファでつい、うたた寝もしたくなるそんな陽気。



愛猫の‘みーや’もタンポポの綿毛みたいにまぁるくなって私の膝にいる。





「なんだみーや♡みーやも春を感じてんの〜?」





おでこを撫でられるのが好きな仔だからそうするとね、‘‘にゃー’’って鳴くんだ。


ほらね、今も。





「そうかそうかー。分かる仔だねー。
春はのんびりできていーねー。」





二人(二匹?)でほっこりしていると、
バコンって鈍い音と痛みが同時にやってきた。






「いたーい!」




「夏菊、暇してるよね?」



お母さんが雑誌を持って立っている。


私を叩いたのはソレだな。





「暇…じゃない。」




「お母さんはそれを暇と習ったわ。
っていうことで夏菊は暇してるみたいだからお花買ってきてちょーだい。」



「お花?」




「おばあちゃんこの間退院したじゃない。留守の間にお花が枯れちゃって元気無いの。だから買って届けてきてね。」