あれ?と私の視界が捉えたのは、車。そう、車だ。それもBMW3シリーズツーリングタイプだった。色はシルバーだった。この道は一車線であり、否が応でもこのままでは私に衝突する勢いだ。 「ちょっと、ちょと、スピードを緩めなさいよ」 私は右手を前に出し、ストップ、のサインを出した。