井上ユミの目元にはうっすらと涙を流した後のような軌跡があった。それとも欠伸だろうか。まあ、現時点欠伸説が濃厚だろう。アオイの背で寝ているのだから。
 アオイは拾った一枚の紙に目を落とした。
『会えた』
 紙には三文字そう書かれていた。お世辞にも綺麗な字とはいえない、雑な字で