両手の感覚は研ぎ澄まされコインのシャリンという音が宇宙誕生のビックバンのように思考をクリアにし現在の状況を受け入れる態勢が整った合図と勝手に解釈をする。むしろ、人生なんて、勝手、という二文字が背中を後押しする。選択やら決断やらというが、自分が勝手に決めた事象と現象に過ぎない。後で、ああしとけば、こうしとけば、という人によっては過酷で、または些細な悩みや行き違いは、時の経過が癒し、また別の過酷で些細な日常に上書きされる。脳はコンピューターと対比され、場合によっては類似されるが、デリート機能が脳にはないのが悲しいところだ。忘れたくても忘れらない物事が世の中には多々あり、不思議なことが無数に存在と混在を示し、僕らを困惑させる。