私は扉に手を掛けた。眩い光が私の網膜を刺激した。ここまで光が強いということは何かがあるに違いない。
 光は徐々に薄れていった。まず最初にドラムが目に入った。次にベッド。次に、椅子に座る男がいた。
 直感的に私はこの男を知っていると思った。
 男も、
「僕は君を知っていると思う。ホクロに見覚えがあるし、ブラウンのショートカットにも見覚えがある」
 敵意のない笑みでいった。