少し赤面した中村は、「そんなことはない」と強く否定し、「そんなことないんだ」と鈴木がクールに応戦し、「多少の誤差はあります」と中村は訂正した。
 三人は白い歯をこぼし、噴水の水しぶきが、ぴしゃ、と舞った。水しぶきに触れた空気が清涼な風を運び、心と脳に最大の栄養と癒しがその場に鎮座した。
「そういえばアオイ君」と鈴木が口火を切った。「研究してんの?」
 どうしたものか、とアオイは困った。佐藤教授に悪気はないのだろうか、あまり公にはしたくない事項だ。
「うーん。どうしたものか」
 アオイは首を捻った。