事件の全貌は明らかにはされてはいない。
 が、父親には多額の資金が口座に振り込まれていた。
 それは、父親の研究していた分野が評価された証拠といっていたが、その研究データは盗まれていた。
 事件の動機の一種とされているが、犯人が捕まっていない以上、曖昧なままだった。
 悲しいかな、事件の起こった次の日は、雲ひとつない晴天だった。眩しさに目をつむってしまうほどに。
 そう、今日のように。
「アオイ!アオイ!アオイ!」
 肩を揺すられ髪をひっぱられ臀部に衝撃が走ったアオイは右を見た。
 ああ、そうだ。今は井上ユミといるんだっけ、と首を傾げた。