アオイは井上ユミを観察した。
 朝もそう昨日もそう。なにかを訴えかける表情がそこにはあった。それは井上ユミの内なる内に入り込まなければわからないことだし、有名人たるものの宿命なのかもしれない。
 横断歩道では、なんであいつら見つめ合ってんだ、という声が聞こえ、さらには、あの女の人見たことあるんだけど、という声まで響いた。さすがのアオイも、さあ行こうと井上ユミの手を取り横断歩道を渡った。