「はたから見ると知り合いには見えないですよ。美男美女でお似合いです。ファンキーですよね彼女さん」
 店員はファンキーを言いたいだけではないかと思ったが、彼女の口癖だということに気づいた。他のお客さんにも、「ファンキーですね」と言っているのが聞こえたからだ。お決まりのセールストークということだろう。
「ねえ、アオイ」
 試着室のカーテンの隙間から顔を出した井上ユミはアオイにいった。
「どうした?」
「めんどくさくなったから、全部買うわ」
 なるほど、そう結論たか。なら最初から購入すればいいものを。
「もしかして、今」
「あっ、まさか想像してたでしょ」
 井上ユミは顔を赤らめた。