歩く速度も、街を観察する彩りも、行き交う人々の表情も、一人でいるときに感じ得ない景色なんだな、とアオイは試着室で待つ。女というのは何着試着すれば気がすむのだろう。井上ユミが試着を開始して既に一時間は経過しようとしていた。これも違う、あれも違う、さらに違う、と小言を繰り返し、店内を右往左往し、店員を困らせる無理難題を押しつけ、自分勝手な振る舞いが目に付いたが、アオイには天真爛漫で新鮮なものだった。
「ファンキーな彼女ですね」
女性店員は言葉をオブラートに包みながらいってるというのが表情から伝わってきた。眉がピクピクし、口元はこわばっていた。
「彼女じゃないんです。知り合いです」
アオイはいった。
「ファンキーな彼女ですね」
女性店員は言葉をオブラートに包みながらいってるというのが表情から伝わってきた。眉がピクピクし、口元はこわばっていた。
「彼女じゃないんです。知り合いです」
アオイはいった。


