「二、三日でいいから、ここに泊めてくれない?いい部屋だとは思うし。ホテルはあまり好きじゃないのよ」
「好きじゃないのよ、と言われましても」
「だからさ、かしこまらないでよ。いいでしょ」
「いいですけど、マネージャーさんとかマネジメント会社のお偉いさんとかに何か言われません?有名人って管理されているイメージが強いから」
 アオイは微々たる知識を総動員していった。
「ああ、それなら大丈夫。私、個人事業主だから。管理されるの嫌い出した。でもさ、個人事業主って一人って思うでしょ?違うのよ」
「違うんですか?」
「違うの。違うの。関らなきゃいけない人が多いのよ。たしかに印税とか管理してくれるマネジメント会社とは契約はしてるけど、契約条項は私有利にしてあるから。困ったら弁護士よ」