「俺はまさか手を出したのか」
 アオイは頭を抱えた。
「ノーノーノー。セクロスじゃないよ。添い寝みたいなもんよ」
「セクロス?」
「セックスをカジュアな言い方にしてみただけよ」
 井上ユミは頬を赤らめながらいった。二人の間には数分前とは違う、儀礼的な雰囲気ではない、親しみめいた空気が流れた。実をいうとアオイは昨日の夜はすぐに眠りに入ったこともあり、あまり覚えていないのだ。
「そうですか」とアオイは姿勢を整え、「で、お願いとは?」切り出した。そして、すぐに井上ユミが切り出した。