「そんなことはありませんよ教授。フロイトもこう云っています。『自分に完全に正直でいることは、よい修練になる』、と。夢の中で教授の声は届いていました」
「夢の中?うんうん。面白い解釈をするな小沢アオイ君。自分に対してとことん正直になるのは心身の充実にも繋がる。ここで一つ質問だ」
「なんでしょう、教授」
「君は、コーヒーに角砂糖を何個いれるのだい?」
「申し訳ありません。教授。僕はブラックコーヒーを好みます」
 アオイは快活に応えた。