「砂漠にキリンは不要だからだよ。キリンは首が長い。だから先が見通せてしまう。オアシスなんて先にはないことが長い首のせいで悟ってしまってやる気が起きなくなる」
「ラクダは首が短いし、コブしかないわね」
 コブしか、という点に僕は異論を挟みたかったが、やめといた。時に正論は火種を起こす。
「ラクダがベストだ」
「いい切るのは良くないんじゃない」
「というと?」
「全てのキリンが、やる気をなくすって考えづらいわね。生物学的にみても」
「君は生物学に詳しいのかい」
「全然」
 僕は唖然とし何も言えなくなった。生唾を飲み込んだ。そう、飲み込まなければ渇きが得られない。